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​八ヶ岳ニュース
2009年10月のある日 焚き火遊び三題 
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10月12日

ゆうき、たいか竹炊飯しようっ!!
太い竹あるじゃん。炊飯しようよ。竹を切って!!切るとこ違うよ。そうそう。ふた作って。笹でふたの持ち手を作って!!よおっし。米といで、30分。焚き火は、竹容器が燃えるくらいに大きくしないと、沸いてこないようだ。 水が無くなるまで燃やして、炊けたら火から降ろしアルミホイルでふたの目貼りをして密閉状態にする。ここで、10分待ってと!!
米粒が立っている申し訳ないくらい美味しいご飯が炊けた!!!竹の香りとともに最高のごちそうをネパール岩塩で食べた。贅沢だあ。バックパッカーとして泊まりに来たゆうき君にも残りをあげた。

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10月17日(土)

ふうと君バウムクーヘン作ちゃおうかな
朝から寒くて仕方ない。10時には遊びに来ていたふうと一家と焚き火ついでにバウムクーヘンを作りたくなった。焚き火を起こしているときに、ホットケーキミックス、卵、砂糖、菜種油をまぜて、種を作る。こぼすし、うまくゆくかわからないから、高いものは使わない。以前ホットケーキミックスだけでやったら美味しくなかったので、ちょっと工夫してみた。
イメージする太さの竹が無いので、さっきマシュマロを焼いた笹竹でやってみる。なんとかなるかもよ。なんとかなった。いや超うまくいった。その辺の物を使うことは基本中の基本。 途中千葉から来た新井君も一緒にクルクルとドンドン強火で焼くと層が出来てきた。竹はするっと抜けて年輪が出来ている。味もこれなら合格。みなさんぜひお試しを。途中参加のこたろうは、店がしまってもしばらく独りで焚き火を見つめていた。たそがれ時は寂しいがこんな少年の風景はいいものだ。

10月18日(日)

うっそー!ナオキ!ニジマスが連れたの?
今日は、釣り道具を持って6年のなおき、きょうへいと中学生のたつやが来た。きょうへいは今焚き火に夢中だ。なおきは、仕掛けをつくり、いつもの練り餌で橋の上で釣りを始めた。すると間もなく、大声で「でっかいの釣れたー!!!」23cmのニジマス!子供の釣りでは始めてだ。夏に高校生がやまめを釣った以来のハヤ以外の獲物だった。バットと十徳ナイフを持ってくると、たつやが「僕できるよ」といってさばき出した。周りで女子たちが怪訝そうに見つめている。切れないナイフでがんばった。これが心臓。これが胃だな。胃の中から蟹のハサミが出てきた。とやっているうち、「また、釣れたよーーー!!」またもニジマス25cm。たつや二匹頼むね。きょうへい焚き火がんばって!!沖縄の塩をして、きょうへいが焼きはじめる。竹を裂いて、削って箸も作る。たつやががんばる。そして焼けるころ、「また釣れたよーーー」信じられないことに立続けに3匹。この大きさだとポノも手に負えないらしく出てこない。その後はハヤ7匹で小さい子が遊び、最後はいつの間にかポノのお腹の中に入ったらしい。釣りたてのニジマスがまずいはずは無く、全員の人間のお腹におさまり。秋の陽は驚くほど早く暮れた。

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​八ヶ岳ニュース
200910自転車旅
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○実践旅ガキ養成講座
 わがHPのトップで、野田知佑さんが川ガキ養成講座、斉藤が アウトドア犬養成講座ならば、私は旅ガキ養成講座だ!!と書いた 事がある。その機会が来た。
  店を休んでいる2月中は、溜め込んだ課題をこなすいい機会だ。日 頃ご無沙汰している朗読会に出演する事もそうだが、せっかく土日 も休めるこの機会には、ぜひ旅に出たい。 宮古島から帰る斉藤と交代で、自転車旅に出る決意をした。
 一昨年の9月、カーシャや監督平野ら5人で、ここから自転車で白 川郷まで行くツアーがあった。岡谷まで行ってキャンプをしたが、 天気が悪く、店もあるので私だけがそこでリタイヤした。(全行程の1/10 くらいだけ)
  去年の9月には初の一人自転車キャンプ旅をした。でもここから30km の富士見までの往復だけだった。
  今年はどうしても『2泊以上の自転車キャンプ』がしたい。
  しかし、この2月にどこでキャンプができるのだろう?? 知多半島、千葉も考えたが、車で行きやすい事を考えると静岡あたりか? どうせ誰もつきあってくれないから、一人でキャンプができるのか が心配だ。 最悪、宿泊まりでもいいか!などとあきらめつつ、2月21日から の日程を宣言し、家族の協力を要請した。 斉藤がうちにいてくれて、犬猫、子供の面倒を見てくれなければ成 り立たないからだ。
  そんな時、一歩の同級生の高校生2人が、雪の中自転車に乗って、閉まってい る店に来た。子供大好きな店主はすぐに店を開けてしまう。 自転車好きのハルキとカズトにこの計画を話し、冗談で誘ってみる と、カズトが一緒に言ってもいいと言い出した。うそー!!

○相棒は女形系高校生!
  カズトは、高校の自転車部だったが、訳あって高校をやめ、通信教 育を受けながら近所のスーパーでバイトをしている。 ハルキは進学校だから時間はないが、カズトならつきあえるのだ。 通常なら疲れ知らずの高校生といいたいとところだが、交通事故の 後遺症で腰と膝が弱いらしい。おばさんといたわり合って行けば ちょうどいいのではないか。牽制しつつ、探ってみる。 でもあまりカズトの事は知らない。一歩からは、「パソコンおた く」で「自転車おたく」「アニメおたく」だと聞いている。 でも、親は知ってるし、何とかなるだろう。 とんでもない子かもしれないが、面白いかもしれない。
  女も50になると、ここまで度胸が座っているのである。
  キャンプ経験は少ない。道具もない。「でも本当に行くの?」『う ん行く、久々のロングライドがしたい』 まあいいか。私とて、メカニックとボディガードがいた方が気が楽な のである。 164cm、47kgと小6の南歩と同じ体系の女形系の17歳。 襲わないように気をつけよう。 
  相棒がいるならなんとしても、行き当たりばっ旅連続キャンプを成 功させなければ!!!と気持ちが高ぶって来た。 彼は輪行にこだわっているが、静岡までの電車の便の悪さは、格別である。車で行くのが定石だ。一人なら輪行して車に戻るか、ぐ るっと回ってくるしかないが、2人なら、行けるとこまで行っ て、荷物の見張りをしてもらって、私が車をとりに行く事ができる。 おう、便利! 車の置き場には、駅が近い大きな公園を探した。地図とネットをに らみつつ、たまにカズトとも一緒に超楽しい時間が過ぎてゆく。 夫の斉藤は、サポートはしない、全部自分でやりなさい言ったが、 静岡沿岸には太平洋岸自転車道があると教えてくれたし、出発前に は、カズトの自転車用にキャリアーと防水バックを貸してくれた。 海岸線を行くとして、線路が最も海岸線に近づくのは焼津と用宗 だ。その辺まで行きたい。距離を考えると、車を置くのは小笠山総 合運動公園がいいだろう。 約100km。どうにかなるだろう。 さっそく諏訪モンベルに行き、彼の寝袋とマットを買い。私もコン パクトなダウンを買う。

○2月にばっ旅キャンプできるか??
だが、来週に迫っているのに、強烈な寒波がやって来て、朝はマイ ナス4度程度がつづいていた。最近自転車に乗っていないが、乗る 気になれない雪模様。 走れるのか?寒いぞ?風が強いかも?心が折れかかって来た。 メールでちょっと弱音を吐いてみたら、カズトから『弱気じゃない ですか、頑張れ頑張れ!』とメールが戻ってくる。 なかなか頼りになりそうだ。カズトにキャンプ場を調べておくよう に宿題を出したら全部しまっていた。 現地の事を聞くために、浜松の松尾さんにメールしてみた。西風が あるので東向きに行くといい。公園は大丈夫じゃないか? 自転車 旅好きの監督平野さんにメールすると、町中の小さい公園や橋の下 なら大丈夫じゃないかとまた心強いサジェスチョン。 装備を装着して、試走もした(ほんのちょっとだけ)。 天気予報は、晴れ曇り。明後日から暖かくなる。

○出発。男子としての意地?
  いつもは10時起きのカズトが6時に起き、3時間 半のドライブにも一睡もしないで、話につき合ってくれた。だいぶ 彼との距離が近づいてきた。 Jリーグの試合も行われるエコパスタジアムからの出発。ストーブ類 も含めた私の荷物の方が大きい。男の意地なのだろうか、大きい バッグの方を担ってくれた。静岡らしい茶畑や田んぼの中を行く。 10kmほどで海岸に出たので、海に触ってみた。山梨県人にとっては うれしい海だ。冷たい!そして広い!
  ここからは、快適な自転車道が続いた。ご飯にしようと砂浜に降り て、手持ちの食材で昼飯にしようと思ったら、水がない。ホームレ スに占拠された公園をパスしたので、水の確保を忘れていた。わ あー。ラーメンが食べれない。 しかたなく、近くのコンビニに行って、小食のカズトは、肉まんと パフェのみ。 疲れて食欲のない私もオニギリ一個とパフェを胃に押し込んだ。 近所にはイチゴのもぎ取りがあって、ファミリーで一杯だ。国道に は車が多いが、自転車道には誰もいない。 写真を取り合ってみた。一人でないと写 真も撮ってもらえるのでいい。 海はいい。気持ちがいい。平らでいい。車がなくていい。自然に笑 みがこぼれる。 
  海沿いの原発ゾーンは、迂回しなければならない。そこには坂が立 ちはだかった。緊張と車の運転も加わっていたので相当疲れがた まってきた。 向かい側の歩道の人に抜かれるほどの遅さで進んでいたら、さすが にしびれを切らしたカズトは、 颯爽と坂を上るロードのおじさんに負けまいと『追いついてや るぅー』と追っかけて行った。 ただでも重いMTBにフル装備のキャンプ道具を積んでいる。 ばかー!!爆弾を抱えている腰と膝を痛めても、私のせいじゃない からね!!

○ うれしい応援隊あらわる
  御前崎ゾーンに入るといい風景だが、私はかなり消耗している。カ ズトは大丈夫なのかな? 陽が傾いてきた頃やっとマリンパークについた。あれ?こっちに手 を振る人がいる。 浜松の松尾さんだ。友人二人と伊豆でのロードバイクの試乗会に 行った帰りだそうで、計画を話しておいてので寄ってみたそうだ。 なんだかうれしい。カズトは、おじさんの前で張り切って、バイク を駆ってキャンプ場の管理室に聞きに行ってくれた。営業してない ので、黙認してくれるそうだ。自慢のバイクの価値が分かってくれ る人たちなので、カズトもうれしそうだ。 おじさんたちを見送った後、風よけのために屋根のある水場にテン トを向かい合わせに張り、トランギアのアルコールストーブでミル クティーを入れ、その後買い出しに行く。海沿いだから風はある が、この寒さなら何とかなりそうだ。とりあえず、今日はワンバー ナークッキングのマロンチーズリゾットとサラダ。イチゴのサン ド。だが、疲れすぎて食欲がない。

○長風呂!!
  風呂に行かずにこのまま寝てし まいたいと言うと、 「頑張って行きましょう。疲れもとれるから」と泣けることを言う。 潮騒と星空ミニツーリングで、元気を取り戻す。豪華なホテルの日 帰り入浴に入り、ロビーで待ち合わせたはずだが??。25分 ほど待った。こんなに長風呂とは聞いてなかったぞ。おじさん軍団 に女の子かと思われたそうだ。すっかり元気な彼は動けない私にお 茶を買って来てくれた。すっかりとろけたところで、テントに帰 り、湯たんぽで暖めたシュラフに入って泥のように寝る。 カズトがごそごそしていたが、おなかが減っておにぎりを食べてい たらしい。若者はそうこなくっちゃ。

○幸せの水平ツーリング
 22日 の朝は快晴だった。相変わらず胃の調子はすぐれないが、ミルク ティーとパンを押し込む。 パッキングとセルフタイマーでの記念撮影、打ち合わせをした。そ してマシンチェック。タイヤの空気圧を確かめて『これじゃだめで すよ』といいながら空気を入れてくれたが、血豆を作ってしまっ た。ごめん。 今日は、焼津の町中まで行こう。一般的に漁港は平場が少ない。公 園も小さくて不安なので、早めについてロケハンする必要もある。 途中遊ぼうと思ったが、急ぎぎみで行こう。 途中から自転車道が町中になった。チャリ通勤のおじさんが話しか けて来て、ここが元の軌道敷だと教えてくれた。よく見ると駅の跡 もある。自転車道を歩くじいさんと話したら、藤枝から御前崎まで 鉄道があったらしい。その先も、軍の施設があってどうのこう の???半分くらい聞き取れなかった。その自転車道は県道357 号であった。のどかで最高。桃の花と夏みかんが綺麗だ。 その後も快調に飛ばし、せっかく海沿いだからと国道に出て魚料理 屋に入って寿司を食べた。 今日は足が動いている。昨日よりは早いスピードだ。走っていると 自分がニコニコ顔になっているのに気づく。幸せだあ。

○みなとまち焼津の夜
 越すに越されぬ大井川を簡単に越え、港湾地域、レクリエーション 地域を過ぎ、焼津の漁港に入る。 漁港というのは、どうしてこんなに旅情を感じるのだろう。思えば 遠くにきたもんだ。造船所があり、漁船が並び、港湾施設が並ぶ。 ママチャリのおばちゃんがセリ場を通り抜け、猫が昼寝し、ボラが飛ぶ。 入り組んだ道を行くと、候補に考えていた記念碑のある公園のフェ ニックスが見えてきた。すぐそこに見えるが、ぐるぐる回り込まな ければならない。たどり着いてみると、まるで一般 人の来ない港湾 施設の騒音のただ中に、ぽつんとある公園だった。トイレは壊れて いたが、仮設トイレはある。水はないが、外食すればいいだろう。 風があるので、防潮堤の脇にテントを張った。
  これで勝ったような ものだ。夜に問題がなければ、朝帰るだけ。いよいよここまで来 た。宿が決まった安堵感は格別だ。 身軽になって、町中散策とする。温泉を探し、駅の位 置を確かめ、 夕食の場所を探す。今日は健康センターでのんびりに決定。
  今日の風呂も 20分は待った。本寝含めて2時間の滞在となる。港脇の「与作」で おいしい魚を食べて、(静岡おでんもおいしかった!!)寝る事に する。今日は風が全くなくなった。念のため湯たんぽも入れて、ホ ントに快適なキャンプとなった

○ポノみたいな何やっってんの猫!!
 早朝、船越しに日の出が見えたのを写真に撮る。カズトも起きてお 茶を飲んでいたら、身重らしい猫が遊びに来た。パンもお菓子も食 べないので、遊びに来たとしか思えない。うちのポノのように、 『何やってんの猫??』興味津々なのかもしれない。テントサイト でずっと遊んでいた。

○君の事!
  「君の事、支度が遅くて、風呂が長くて、女の子に間違われる男の 子って書いていい?」
『えー、カッコイイもつけてよ』
「そうだ、 猫舌もあったね!」彼は不満なのである。
  さあ、あとは彼を今日のバイトに間に合うように返すだけだ。撤収 をカズトに任せて、駅に自転車で向かい、電車で車のところまで行 き、高速で戻ってきて、駅で自転車をピックアップし、テントサイ トに帰る。彼は寝袋にくるまって、ぐっすりお休みしていた。疲れ た??

○旅ガキくん完成
  帰りは年度末の道路工事で高速は大渋滞である。下道を行き5 時間かけて、ぎりぎりバイトに間に合った。帰りも彼は一睡もする 事なく、お話の相手をしてくれた。
『そんなに緊張してたんですか?』
「そりゃあ初めてのばっ旅だも ん」
『ぼくは散歩の延長くらいに思ってましたよ』
「バーッカ」
……………………………………
『もうおわっちゃうのか!!』
「あの先まで行ってもう一泊したい ね?」
『行きたいなあ』
と交わした最後の朝。この一言で充分。旅ガキの完成だ。 
 本当に優しくて、気を使ってくれたカズトに感謝している。 
2日でたった97kmだけど、今回も私の宝物旅になりました。 カズト、次回はもうちょっとヤンチャな姿見せてくれてもいいよ!! 

後日、 
『一歩!!カズトは車でも寝ないし、自転車もずっと横についてい てくれるし、優しいんだよ。お前なんて絶対できないじゃん?』
「他人だからだよ、母さんがこわかったんじゃないの!!、僕だっ て他人ならちゃんと気い使うの!」 
『じゃあ、ずっと、他人と行くからいいよ!』

SHIRO_PAST 01
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